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考え、議論するフォーラム / コラム

ロボットとはすなわちロマン!
アスラテックが見るロボットの世界

アスラテック株式会社 パートナー/ロボットエバンジェリスト 羽田卓生

アスラテックはソフトバンクグループの「新30年ビジョンコンテスト」をきっかけにロボットの専業企業として生まれ、人とロボットが共存できる社会を実現するために、世界でも類をみないほど多くのロボット開発に携わってきました。

Pepperが発表された一週間後の2014年6月11日、アスラテックはV-Sido(ブシドー)というロボット制御ソフトウェアをさまざまなロボットに提供していくというビジネスを発表しました。
V-Sido はチーフロボットクリエイターの吉崎航が中心となり開発しましたが、このソフトウェアの特に凄いところは、用途もサイズも駆動方式も異なるロボットを動かせる点です。その甲斐あって、たった5年で数十機種ものロボットにV-Sidoが搭載されました。

V-Sidoで制御できるさまざまなロボット(一部)

V-sidoが制御するロボットの中で、私がとくにスゴいと思うロボットを3つご紹介したいと思います。

●4mで二人乗り、人型から自動車型に変形するロボット

「J-deite RIDE」(ジェイダイト・ライド)は、大人が二人乗ったまま人型と車型とに変形できる、全高約4メートルの乗用人型変形ロボットです。と、さらりと説明してしまいましたが、控えめにいってコレ、人類の夢を具現化したロボットじゃないでしょうか。

巨大ロボットに搭乗して操縦できる。そして、変形!
アニメや映画で描かれていた世界が、まさに現実のものとなったのです。変形、とくに、巨大ロボットの変形は、そんなに簡単ではないです。変形するときに、ロボットの重心が非常に複雑に変化します。巨大になるほど、ちょっとしたバランスで、大事故につながりかねません。そこは、V-Sidoならではの制御力の見せ所です。

このJ-deite RIDEですが、米国フロリダで実施された遊戯機械のトレードショー「IAAPA Attractions Expo 2018」に展示いたしました。
なんと、遊戯機械として量産事業化を目指しているんです!量産って本当に?と思われると思いますが、2016年に、三精テクノロジーズ様が参画し、J-deite RIDEを作るためのLLP(有限責任事業組合)を設立した当初より目論んでいたんです。

©三精テクノロジーズ株式会社、株式会社BRAVE ROBOTICS、アスラテック株式会社

●災害復旧などの危険な仕事を行えるロボット

「KanaRobo」(カナロボ)は、ショベルカーなどの建設機械を操縦できる双腕双脚の人型ロボットです。建設機械のコックピットにこのロボット本体を設置し、オペレータはロボットを遠隔操作することで、建設機械の遠隔操縦をすることができます。
このロボットは、実際に起きた土砂崩れ現場での復旧工事の実績をすでに持っています。土砂崩れを起こした現場では、人が乗った重機で復旧作業を行うと、二次災害の危険性があります。そこでこのKanaRoboを使うことで、人は安全を確保して、遠隔で重機を操縦できるようになるのです。

もちろん操縦者を守るだけでなく、操縦に関わる安全性も大事です。万が一、ショベルカーなどの重機が暴走すると、大惨事につながりかねません。たとえばアクセルを踏んだ状態でロボットが停止したりすると、重機の燃料が続く限り暴走することになってしまいます。KanaRoboでは、万が一にもそうしたことが起きないよう、いろんな安全対策を何重にもほどこしています。どこからでも建機を運転できるという、未来の働き方と思われていたことが、もう実現できているのです。

●リハビリテーション向けの歩行練習デバイス

「RoboChemia® (GS Knee)」(ロボケミア・ジーエス ニー)は、歩行のリハビリテーションで使う長下肢装具の膝継手に装着するデバイスです。このようなリハビリテーションという現場においても、アスラテックのロボティクス技術が使われてきているのです。

このようなデバイスに使われるためには、重要なことがあります。たとえば、リハビリをしている人が転びそうになったときに、その姿勢の変化を読み取り、すぐに反応する必要があります。それができないと、リハビリをされている方が転倒をしてしまいます。コンマ何秒といった素早い反応が求められるのです。
V-Sidoを使えばそれができるので、採用されたのですね。二足歩行ロボットで培ったV-Sidoの「歩行」に関わる知見が、人間にも応用できたのです。

●日本のロボットは世界一!!

実は私、2004年に放送されたテレビ番組「TVチャンピオン」(テレビ東京系列)のケータイ王選手権で優勝したことがあります。優勝者コメントとして私は「日本のケータイは世界一!!」と言いました。次にくるのは、間違いなくロボットです。そこで、もう一度、こう言いたいと思っています。

「日本のロボットは世界一!!」

ロボット開発は、人類の夢、ロマンがいっぱいあると思っています。これを原動力に私はアスラテックのメンバーと世界一のロボット開発を実現したいです。
最後になりますが、私個人としては、人類が一度も思いついたことがないロボットを作りたいです!いままで、SFの世界からモノ作りの原点をもらっていたことが多いですが、実際のロボットから、SFに影響させたいですね。ロボットと日々向き合っているからこそ見えてくるロボット像やストーリーがあると思っています。
どんなロボットかは、、、いつかのSFまで乞うご期待!

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