Up
『あさってロボ会議』では、小中学生の皆さんから、“こんなロボットがいたらいいな”と思い描くイラストを募集しました。集まった個性豊かな作品の中から、3作品を漫画家の小林尽さんに漫画にしてもらう企画です。前回の「清掃靴」に続き、今回は2作品目をご紹介します。
キーホルダーってどんなロボット?
本日ご紹介するのは、愛知県一宮市にお住まいの小学校2年、内藤祐依さんの作品「悩みを聞いてくれるキーホルダー」です。「いつでもどんなことでも、なやみをきいてくれる人形がそばにいたらいいな〜」、そんな想いが詰まったロボットです。
応募いただいた手書きのイラストを基に、小林尽さんが描いてくれたイラストと4コマ漫画を覗いてみましょう。
大きなリボンがチャームポイントになっていて、かわいいですね。透き通るような緑色の目が、ロボットのやさしい雰囲気を醸し出しています。
さて、このロボットに、どんなストーリー展開が待っているのでしょうか??
小林尽さん作の4コマ漫画
ストーリーをもう少し覗いてみよう
なやみを何でもすいこんでくれるのは、みつあみの小さなロボットです。いつもそばにいられるように、お出かけのときはキーホルダーとして、女の子のかばんにくっついているんです。
だから、学校に行くのも、あそびに行くのも、一緒。女の子がちょっとお話したいな、だれにも言えないなやみを聞いてほしいなと思ったら、すぐに「どうしたの?」と声をかけて、女の子のなやみをぜーんぶすいこんでくれちゃいます。
ロボットになやみをすいこんでもらったら、女の子はスッキリ。小さなときからずっと、女の子は何かあるとロボットにはなしを聞いてもらうことで、いつだって元気でいられました。
でも、ある日のこと。ロボットの様子がいつもとちがいます。女の子がロボットに話かけても、ロボットはなにもいいません。「あれ? うごかなくなった…」女の子はふしぎにおもいましたが、ロボットを大切に引き出しにしまいました。
それから女の子はぐんぐん大きくなり、なんでも話せる友だちもできました。そして大人になり、LINEで「ねえねえ、きいて」と友だちになやみをそうだんしようとしたとき、はっとしました。
ロボットは、もう自分がなやみを聞かなくてもいいっておもったんだ。だから、うごかなくなったんだ。
ひさしぶりに、引き出しからロボットをとりだしてみると、ロボットはやっぱり何もいいません。大人になった女の子は、そんなロボットに「ありがとう」とささやいて、またそっと引き出しのなかにねかせました。ロボットは、ほんのいっしゅんの間に、ウインクしたようにみえました。
〜〜〜〜〜〜〜〜
いかがでしたか?ランドセルにつけられる小さいロボットという視点が小学生らしくていいですよね。
実は他の応募作品にも、悩みをきいてほしい、一人ぼっちの時に一緒に居てほしいという想いを叶えてくれるものが複数ありました。子どもたちにも、こういった想いがあることに改めて気付かされました。「いつも一緒にいてくれて、悩みを吸い込んでくれる相棒のような可愛いロボット」は、子どもだけでなく、大人でも欲しい人はたくさんいると思います。
内藤祐依さん、素敵な夢のおすそ分けをありがとうございました。小林尽さんの作品は後日お送りさせていただきます。